ライティングにおける接続技術

先日、自分のライティング技術の歴史を振り返ってみた。
その後考えていたら、ライティング向上の影には接続技術の向上があることがわかった。
高度な文章を書くには、一文にたくさんの要素を入れなければならず、句や文を接続する技術が必要になる。
今回はそれについて書いてみよう。
ちなみに「接続技術」というのはここで私が便宜的に用いている用語で、正式なものではない。
定義としては、あいまいになるが、接続語および接続的な役割を果たす前置詞句、動名詞句など全般を想定している。
以下は、基本5文型を習得していることを前提とする。
(SV、SVO、SVC、SVOO、SVOC)

<初級時代(前半)>
接続詞:and、but、so、because
基本の4つの接続詞

このころは、この4つでほとんどの文がつなげると勘違いしていたものだが・・・。
現実は違った。
しかしまだ勉強を始めて間もなかったので、意気揚々としていた気がする。
勉強を続ければ、数年で目標の英語力(プロレベル)に達するものだと思っていた。
そんなに簡単にいかないことがわかるのはもう少し先。
ある意味、幸せな時代だったなあ・・・

<初級時代(後半)>
接続詞:as、however、although、since
関係代名詞: which、that、whose、whoなど基本的なもの

使える接続詞の数が増えたが、用法は基本的には初級の4つの接続詞と同じ。
関係代名詞を使えるようになり、複雑な修飾ができるようになる。
しかしまだまだ文をつなぐ材料が不足しており、高度な文章を書くにはほど遠い。
もっとも、接続技術以前に語彙・表現力が不足していた。
書きたいことが書けず、フラストレーションがたまる。
それをエネルギーにして一心不乱に勉強を続ける。

<中級時代(前半)>
接続詞:while、as
関係代名詞:whichever、in which、whereなど応用的なもの
関係代名詞(非制限用法):"(カンマ), which..."など
付帯状況:〜ing、with
過去分詞、現在進行形による後ろからの修飾

複数の意味をもつ接続詞を使いこなせるようになった。
whileは2種類(?)、asはたくさんの意味をもつ。
高度な関係代名詞を使うようになった。
このころはin whichがお気に入りだった。難易度が高いように思えたので。
付帯状況も使えるようになり、〜ingで文をつなぐようになった。
これらの接続技術が使えるようになり、表現の幅は広がった。
うれしくて、必要以上に使うようにしていた時期も。
書きたいことが書けないフラストレーションは少し緩和された。
しかし、大学でレポートや英作文を書かされると、まだまだうまく接続できないと感じていた。
後になって大学時代に書いたレポートを読むと、意味不明(笑)。
実力のわりに難しいものを書かされていたのもあるが、ひどかった。
ちなみに、このころ(最初で最後に)受けたTOEICの点数は900点。
TOEICの点数を目標に英語の勉強をしている方には悪いけれど、TOEICなんてそんなもんです・・・
(だから私は昔からテストを目標に勉強していない)
道のりは長い・・・

<中級時代(後半)>
前置詞句:in view of、in the face of、in line withなど
結果を導く現在進行形:allowing、resulting in、causing、makingなど

就職〜就職3年目のころ。
大学4年から時事英語を勉強するようになり、その影響で、前置詞句などの文章接続のための表現を覚えるようになった。
このころは主に茅ヶ崎方式英語教本Book 1と茅ヶ崎方式マンスリーで勉強していた。
記事やニュースの英語は、たくさんの情報をコンパクトに、洗練された形でまとめてある。
上手な接続技術を学ぶのにはうってつけだ。
別に接続技術に的を絞って勉強していたわけではなかったが、勉強しているうちに自然な形で覚えるようになり、一部は自分で使えるようになった。
また、仕事でも書き言葉の文章ばかりを扱うので、そこから得たものも多かった。
(感想)
こうしてみると、接続技術は英文を書く上で非常に有用な技術だと思う。
しかしやみくもに接続技術だけを学べばよいというものではない。
基本文型レベルでの文章を満足に書けないのに、接続技術だけ学んでもしかたないだろう。
やはり学習の段階ごとに必要なものを順番に身につけていくのが一番だと思う。
(これは語彙・文法すべてに言えると思う)
そういう意味では、私の身に付け方は自然に近かったのでは。